主人公 マリア ーその生い立ちー

マリア・ウェイランド(Maria Weyland ポーランド名マリルカ) 97歳。1920年2月27日、ポーランド中央部の都市ウッチ(Lodz)で生まれる。3人兄弟の次女で、姉はハラ(Hala)、弟はマルセル(Marcel)といった。父はドイツで教育を受けた工業化学者であり、デンマーク系植物油脂会社の現地代表を務めていた。家庭は裕福で、コックのほか、子守や家庭教師を務める女性もおり、休日にはバルト海沿岸やカルパチア山脈に出かけた。クラスで最優秀の成績を取り大学への入学が許可されたが、この時すでにポーランドの大学はユダヤ人にとって居心地の良いところではなくなっていた。そこで、ベルギーのアントワープにある学校に移り、商学を学んだ。1939年の夏、戦争の気配を感じた父の判断から家族全員がウッチに戻ることに。9月5日、ドイツ軍がウッチへ迫っていることをラジオで聞き、両親と姉夫婦、弟の6人には小さな自家用車「フォード・エッフェル」に乗り込んでウッチを後にした。物事が落ち着くまでの短い避難だと思っていた。でも、それは故郷に二度と戻ることのない逃避行の始まりだった。


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マリルカ・プロジェクト

ポーランドから日本、上海を経てオーストラリアへ 2万キロを旅したユダヤ難民たちの過去と今を追う、 歴史とアートの共同プロジェクトが始まりました 本プロジェクトの新しいサイトが立ち上がりました。以下のリンクからご覧ください。